メーカー問わず昭和40年10月までは自動車用クーラーは
「輸入禁止」
でした。ですから、昭和30年代に日本に入った外車の後部席に国産のクーラーが付く個体がありますが非オリジナルではないのです。むしろ海外製のクーラーが付いて居るとなると40年10月以降の中古か中古でないならば「御禁制」のヤバイ物です。他にも排気量が5000㏄以上とか競技用も同様に輸入禁止でした。
今回紹介する物は丁度自動車輸入開始前後の頃の物を紹介します。
昭和40年末のタイプ。冷房車ステッカーが付きます。
実は私の車初めはかなり禿げてはいましたが、此れが付いていたが価値を知らず私が剥がしました。
でもこのスピーカータイプの吹き出し口は運転席まで余り届かなかったと思いますが、後部席にはガンガン利きました。
通称角テール(昭和40年7月以降)から登場のエアコン。ダッシュタイプのみですが、価格は132000円程で、従来のダッシュクーラーより5000円安かったです。
こんな構造です。
クールファンの併用は平成以降の考えその物。冷房と扇風機の併用は当時考えられませんでした。
1963年式に採用された吹き出し口は天井に冷気が上がり、天井に当って下に下がり、それを此れで撹拌すればより冷えて快適です。
このタイプも1963年式の車に採用されました。トヨペットクラウンデラックスに付く個体も結構ありました。(なおカタログに此れが付く事は紹介されて居ません)
何分強豪な海外製品が無い時代ですから価格もひょっとするとかなり「ボッたくって」なんやかんやで50万円近い(或いはそれ以上)を吹っかけたのかも知れません。ですからクーラーは遠い夢の又夢の世界だったのでしょうね、だからクーラーの形をした扇風機が出たのでしょう。