とらっくとらっくとらっくが発行された頃現役だった万世大路(ばんせいたいろ)栗子隧道を含む4つもの隧道を超えて福島県に行く重要な路線で、昭和27年より国道13号線となりました。
この道路を作ったのは「土木県令」とも付近の住民を激しく弾圧して徴用した為「鬼県令」とも云われた初代山鹿t県令三島通庸(みしまみちざね)の企画にて明治10年から僅か3年と云う短期間で完成。明治14年には明治天皇が山形に御来県された時万世大路と命名されました。
昭和に入り世界恐慌で未曾有の大不況になり、この失業対策と自動車を通行させるのが目的で昭和7年より11年にかけて三島が築いたこの道を改良。然し実情は11月から翌年5月まで冬季閉鎖を余儀なくされる道である事と本格的モータリゼーションには到底対応出来ず、昭和36年10月から現在の場所に新万世道を工事します。そして41年5月29日遂に完成し、今日に至ります。
以前も書いて居ますが今回紹介する旧道のほぼ真下に9キロに及ぶ長大トンネルを作り2年後に完成を目指し工事中です。今回は旧道を我がトヨペットクラウンデラックスもかつて走っていますし、私の美意識や歴史認識の原点の本を紹介したので先ずは栗子から記事を纏めたいと考えUP致しました。
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此れは山形県側から行くと一番初めに見る遺構の瀧岩上橋(たきいわかみはし)。云い伝えによるとこの橋は2代目で昭和7年竣工で、初代は明治10年頃に作られ石組みのアーチ橋だったそうです。
それと此処に行くには、R13から米沢砕石と云う会社がありその敷地に入ります。休日は閉鎖されて居ますので入れません。
昭和46年11月22日に旧道山形側はこの会社に払い下げられましたので私有地である事を意識する必要が有ります。
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うねうねとした道を走り、当時の車は皆オーバーヒート寸前だった筈。平均速度17キロと都内の一般道路の平均速度と同じ速度で走ります。
無論私の車はオーバードライブをOFFにしないと「確実に事故死します」前回UPの写真を見て下さい。悲惨な道でしょ?尚途中に数メートルのコンクリート橋が有りますが、もう風化寸前でとても自動車が走れる代物ではないですから幾ら4WDが有っても危険ですよ。
それと有名なこの写真は右が明治時代に作られた隧道で、左が昭和10年に完成した2代目。実は明治時代のこの隧道は、故意に右側に曲げられ、激しい吹雪の対策です。関山の現トンネルに見られるミス工事ではないですよ。三島の設計は非常に優れ、全くずれが無かったそうです。無論私のトヨペットクラウンデラックスはこれを見て居ますよ。
福島県側の坑門と比べると山形県側の坑門は痛みが激しく、此れは激しい吹雪が原因です。昭和38年当時の写真が有りますが、当時でもかなり傷んで居ました。
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此れは明治の道と昭和の道のつなぎ目。一番奥がこうなって居るそうです。当然ですが左の壁は昭和時代のコンクリートです。福島県側から真っ直ぐにするとこうなります。距離にして数十メートルで明治の道は終わります。*中に入ってはなりませんぞ。
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かなり見づらいですが、よ~く見ると壁が少し厚くなって居ます。実は此れ昭和24年にトンネル崩落事故があり、その対策で内側に厚くコンクリートを施したのです。
それに伴い大型車同士のすれ違いが困難、出来なくなりました。とらっくとらっくとらっくには有りませんが、運転手の「おじさん」泣かせです。
実際トラック運転手だった昭和8年生まれの人に聞きましたが、此処は絶対新人運転手には運転させなかったそうです。他に栗子ばかりではなく次回紹介の二ツ小屋隧道も同じです。
公用で運転した大叔父もトラックが前にいると悲惨で、性能が悪く汚い排ガスをまき散らして視界不良も有ったそうです。当時旧道には20w白熱電球が数か所にあったそうです。
*写真は昭和24年補修の所が再び廃道後の昭和47年に再崩落した所です。ですから絶対に栗子隧道に入ってはなりません。
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福島県側の坑門。山形側よりはかなり良く、昭和38年当時の坑門に近い状態です。
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大体その頃の福島県側の写真。
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そんな時代を走り抜けた我が愛車。無論使用ギヤはローかセカンド。恐らくエンジン負担が著しいクーラーは栗子や関山等では使わなかった筈です。
大叔父は「どうだったかな~?」ですが(笑)
因みに旧隧道は標高700Mの所にありますので、今の500Mより高く運転は大変でした。